2012-01-01から1年間の記事一覧

番外編:150年前の日本人留学生の墓地を訪ねる

本日はウェストミンスターとは全く関係ありませんが、番外編として、150年前に日本からイギリスに留学し、若くしてロンドンで亡くなった日本人の墓地について、書きたいと思います。幕末における日本からイギリスへの留学生というと、伊藤博文や井上馨を含む…

英国議員の事務所でのインターン(3/3) - 議会活動サポート

英国議員の事務所でのインターン:過去エントリ (1/3) 概要 (2/3) 陳情対応議員の議会活動をサポートすることも、当然ながら、議員秘書としての大切な仕事になります。議会活動のサポートも、議員が必要としている書類をかき集めるという基本的なことから、…

英国議員の事務所でのインターン(2/3) - 陳情対応

英国議員の事務所でのインターン:過去エントリ (1/3) 概要前回のエントリでは、議員事務所全体の仕事とスタッフ構成の概要を書きました。今回はその中で私が主にやっていることの1つである陳情対応について書きたいと思います。選挙区有権者やNPOなどからの…

英国議員の事務所でのインターン(1/3) - 概要

やや一般的なタイトルをつけておいてなんですが、イギリス下院議員の事務所でのインターンシップは、サポートする議員によって、事務所でやる事や、そのやり方が全く異なります。私が現在インターンシップをしているJacob Rees-Mogg議員と、インターンシップ…

保守党は危機に陥っているのか

保守党議員の下でインターンをしていますし、保守党本部でインターンをしていたこともあり、最近、何かと「(次の総選挙に向けて)保守党はそろそろ限界なんじゃないか」という質問やら予言やらを、いろんな方々からいただきます。その理由としてよく上げら…

議員インターンシップをどう選んだか

だいぶ…久しぶりになってしまいましたが、また懲りずに書き始めようと思います。前回のエントリを書いた時は、ロンドン市長選挙の現職候補ボリス・ジョンソン氏の選挙対策本部で働いていました。こちらは、あまりブログに残すことができませんでしたが、別途…

イギリスの地方分権−その誤解と現状

さて、市長選挙の活動についてはブログに書けない、などと言い訳をしているうちに1ヶ月も間が空いてしまいました。。。今日は英国の地方自治について少し書きたいと思います。のっけから人頼みで恐縮ながら、英国の地方自治について、わりと詳しく調べたい…

議会による政策実行評価

ボリス・ジョンソン市長の再選に向けた選対本部での仕事も一週間が経ちました。仕事は前よりも忙しくなりました。選挙ということで、非常にセンシティブな内容なので、まだブログに何を書けるのか、やや考えあぐねているのが正直なところです。とりあえず、…

保守党調査部での最終日

(ちなみに、日付、ごまかしています…。後で読んで、自分が混乱しないよう、最終日の金曜日に書いたことにしました。)昨年の10月からインターンを続けてきた保守党調査部での仕事も今日が最後となりました。経営コンサルティングも、スピード感のある仕事で…

第二戦線:政府と与党議員の関係

2週間ほど更新が滞ってしまいましたが、本日、またインタビューをしたので、更新したいと思います。本日は、以前にも少し書いた1922委員会という、日本で言うと与党の政策調査会に近い、保守党議員のための委員会の幹部の1人にお会いしました。以前、この議…

国立国会図書館の保守党に関するレポート

先日、Constitution of the Conservative Party(保守党規約集*1)をネット上で探していたのですが見つからなかったので、保守党の担当の方にご相談して、1998年の最初の規約集から、直近の2009年に改定されたバージョンまでを一式いただきました。紙の形式…

イギリスの国会議員候補は(ほぼ)仕事を辞めない

(このエントリは「保守党の公認候補選定はまず能力評価でスクリーニングする」の後編です)公認候補選定プロセスの後半(党支部主導のプロセス)前半のプロセスを経て、晴れてApproved List of Candidatesに登録された候補者は、今度は実際の選挙区の保守党…

保守党の公認候補選定はまず能力評価でスクリーニングする

火曜日にしたもう1件のインタビューが、これまた、たまらなく面白いものでした。インタビュー相手は、保守党本部のHead of Candidates、すなわち公認候補選定を担当している部署のヘッドである、Gareth Fox氏です。Fox氏が長を務めるCandidates’ Department…

イギリスの世論調査会社はいかに運営されているか

さて、いちおう「日記」なので、少しは「日記」らしいことを書くと、今日は慌ただしく、でも、非常に充実した一日でした。今日の慌ただしさはまず、仕事をいくつも平行してやっていたことに起因します。昨日、国際部のボスから「ちょっとぜひお願いしたいこ…

保守党本部の職場環境

本日は保守党本部の日常的な職場環境をご紹介したいと思います。英国政治の本質とはほぼ無関係だとは思いますが、こういった細々としたことも、いったんこの場所を離れると記憶が薄れてしまうと思うので、いまのうちに記録しておきたいと思います。また、ど…

国際的NGOの訪問

先週の金曜日に、ある国際的なNGOが保守党調査部を訪れ、ミーティングを開いてくれました。彼の話した中身もさることながら、そういったNGOの活動そのものが、なかなか面白かったので、メモを残しておきたいと思います。まず、彼の所属しているNGOですが、国…

イギリス議会の採決

イギリス議会のウェブサイトparliament.ukは情報が非常に充実しています。議員の情報はもちろんのこと、議会の本会議や委員会の開催日程、それらの議事録、法案の審議状況など膨大な情報が公開されています。それとあわせて、議会の仕組みを紹介する情報も充…

労働党との戦い

保守党主流派 (frontbenchers) は、その推進する改革の実行をめぐっていろんな勢力と戦う必要があります。連立パートナーである自民党との戦い、与党内の非主流派の議員(backbenchers)との戦い、改革の対象となる抵抗勢力との戦い、そして、最大野党である労…

抵抗勢力との戦い

久しぶりに自分の仕事の内容です。今週の仕事のうち、調査部での仕事の一部が伝わるような仕事を2つ、ご紹介したいと思います。一言でいうなら、抵抗への対抗。あくまでも「政党内」の調査部ということで、イギリスの民主主義の中で、政府やシンクタンクとは…

(続報)エド・ミリバンド党首では労働党の政権奪還は難しい

労働党ウォッチャーではないので、、、この話題はそろそろ終わりにしたいのですが、こう大事なニュースが入ってくると、なんとなく書きかけたネタを放置してしまっている気がするので、続きを書きます。なお、私は保守党でインターンをしているとはいえ、こ…

エド・ミリバンド党首では労働党の政権奪還は難しい

結論から入ると、労働党のエド・ミリバンド党首では、次回2015年の選挙で労働党が政権奪還することは非常に厳しく、労働党議員はヨーロッパ経済の状況を見ながら、党首変更のタイミングを探っているのではないかと見ています。このような苦境に陥っている状…

ブックメーカーWilliam Hillの賭け相場から読むイギリス政治

イギリスのブックメーカーWilliam Hillでは、「ミリバンド党首は次の総選挙の前に党首を辞任するか」が賭けられています。彼の就任当初のオッズは「辞任する」が11倍でしたが、本日までに3倍にまで下がっています。かなり危うくなってきていると見るべきでし…

2012年、イギリスはEUを離脱するのか

昨年12月のEUサミットにおいて、EUの財政統合に関してキャメロン首相が拒否権を行使以来、イギリス内外で、イギリスのEUにおける影響力の低下や、イギリスのEU離脱が議論されています。Wall Street Journalに掲載されたハーバード大学のNiall Ferguson教授の…

反対するだけの野党

昨年の12月より、ブログの更新がかなり途絶えてしまいましたが、今年もどうぞよろしくお願い致します。さて、新年の仕事は3日から始まっておりますが、国会がまだ休会中ということもあり、今週は静かな仕事始めとなりました。しかし、野党第一党である労…