番外編:150年前の日本人留学生の墓地を訪ねる

本日はウェストミンスターとは全く関係ありませんが、番外編として、150年前に日本からイギリスに留学し、若くしてロンドンで亡くなった日本人の墓地について、書きたいと思います。幕末における日本からイギリスへの留学生というと、伊藤博文井上馨を含む長州五傑が有名ですが、彼らがイギリスに渡ってから数年後、同じようにイギリスに渡り、不幸にも病にかかり亡くなった方々がいました。詳しくはこちらの、ニューズ・ダイジェストの記事と、朝日新聞の記事を参照下さい。

150年も前の幕末期の日本から、交流のなかったイギリスまで、留学に行くということは、想像を超える勇気を必要とすることでしょう。そんな彼らのお墓に、帰国前にぜひお参りに行きたいと思い、本日、墓地まで足を運んできました。無謀にもあまり下調べもせず、何とかなるだろうと思って行ってみて、実際になんとかなったのですが、あまり分かりやすい場所ではありませんでした。こちらに地図とともに写真を残しておきたいと思います。これから訪れる方のご参考になれば。

墓地の名前はBrookwood Cemeteryで、こちらにウェブサイトがあるので、訪れる前にぜひそちらもご参照下さい。墓地の開いている時間や、墓地のオフィスが開いている時間なども、書いてあります。Brookwood Cemeteryは、ロンドン市内のWaterloo駅から、列車で40分ほど南西に行ったBrookwood駅にあります。Waterloo駅からの列車が停まる2番プラットフォームのすぐ裏側に墓地が広がっています。

上記にご紹介した墓地のウェブサイトにある地図に私が歩いた道のりを記してあります。一番左側がBrookwood駅で、一番右側の星印の場所に、4人の方のお墓があります。こちらに、いくつか目印となる場所も書き加えておいたので、そちらの写真をあわせて掲載したいと思います。

まずこちらが、駅を出てすぐにある、墓地の(1)入口の写真です。

墓地の中に入り、地図に記した道を辿って行き、(2)のところまで来た際の写真がこちらです。ここは車道で、その脇に看板があり、進行方向に向かって撮影した写真が2枚目の写真になります。

さらに、地図の道のりをたどると、(3)の分かれ道にたどり着きます。

ここから、星印のところまで行くには二通りの行き方があります。まず、1つ目の道ですが、こちらをしばらく進むと、左手に下の写真にある門が見えてきます。この門のすぐ内側が星印のお墓になります。ただし、この門は(恐らく)墓地の事務所が開いている時間のみ開いていて、本日(土曜日)は閉まっていました。

ちなみに、この門の外の左側には、先ほどご紹介したニューズ・ダイジェストの記事を書かれた、佐藤 顕明師が主管を務める三輪精舎の墓地があります。

一方で、2つ目の道ですが、左側に教会のような建物を見ながらしばらく歩くと、右側にフェンスの入口があり、そちらは本日も鍵がかかっていませんでした。

この中の墓地は、恐らく、ニューズ・ダイジェストの記事で触れられている、セルビア人協会の墓地だと思います。

この区画の向こう側まで歩くと、下のような入り口があり、先ほどの門の内側へと通じています。

そして、その中に入ると、記事でも紹介されている4人のお墓を見つけることができます。

長州藩の山崎小三郎氏のお墓

佐賀藩の袋久平氏のお墓

土佐藩の福岡守人氏のお墓

徳山藩の有福次郎氏のお墓

日英友好教会による記念碑

きちんと下調べもせず来ましたが、なんとかたどり着くことができ、先人への敬意を込めてお祈りをして、元の道を通って帰りました。駅から、4人のお墓まで、迷わずに歩いて15分から20分くらいでしょうか。それなりに距離があるので、歩きやすい靴で訪れた方が良いかもしれません。

(その他、参考記事)
ハーバード・ビジネス・レビューの記事(長州五傑)
ハーバード・ビジネス・レビューの記事(薩摩藩イギリス密航留学生)