保守党のローカル組織

金曜日は仕事を休んで、ゴルフに行きたいところでしたが、、、Hatch Endというロンドンのやや郊外の方 (zone 6) まで、保守党のローカル組織の活動を見学してきました。参加したイベントはHatch End Conservative Fundraising Lunchというものでした。先日のエントリでちょっと書きましたが、RSAのイベントでお会いした方に誘っていただいたランチイベントです。Hatch Endというのは地名です。London Borough of Harrowという東京で言うと「区」のような行政組織 (council) があるのですが、そこのCouncillor (日本で言うと「区議」のような方々) を選出するための選挙区で、wardと呼ばれるものがHarrowの中に21個あります。そのうちの1つがHatch Endです。

イギリスは一票の格差を大きくしないために、定期的に国会議員の選挙区の見直し (redistrict) が行われます。それをなるべく中立的かつ効果的に行った結果なのかもしれませんが、国会議員の選挙区と、地方自治体の区切りが、あまり対応していません。複雑なので具体的に説明したほうが分かりやすいと思います。このイベントを主催したHatch Endというwardの保守党組織はRuislip, Northwood and Pinner Conservative Associationに所属しています。そして、このAssociationはHatch Endも含めた合計9つのwardによって構成されています。しかし、この9つのward全てがLondon Borough of Harrow に所属しているわけではなく、約半数は隣のcouncilであるLondon Borough of Hillingdonに所属しています。では、この9つが、この2つのcouncilの全体を構成しているか、というとそうでもありません。先述の通り、Harrowは合計21のwardによって構成されているので、それ以外の部分もたくさんあります。要は、wardという区切りを最小単位として、国会議員の選挙区と、自治体は、それぞれバラバラに構成されているということです。そしてこの、Ruislip, Northwood and Pinner Conservative Associationそのものは、国会議員の選挙区に立脚して構成されています。

もう1つ、このAssociation について面白いことは、ChairmanであるRay Graham氏自身は、Hillingdonのcouncillorなのですが、上述の9つのwardの中から選出された方ではありません。したがって、彼自身Councillorとしては、選挙でRuislip, Northwood and Pinner Conservative Associationに お世話になっているわけではないのです。これが何らかのガバナンス上の理由なのか、それとも、歴史上の経緯でたまたま彼が違う選挙区からCouncillorに立候補しただけなのか、よく分かりません。今度、彼にまた時間をとっていただいて、いろいろ質問をさせていただくお願いをしたので、お会いすることができたらぜひ聞いてみたいと思います。

さて、肝心のイベントの様子についても書きたいと思います。イベントはHatch Endにあるごく普通のイタリア料理店で行われました。合計でおよそ70席くらいの店内の半分ほどを使って開催され、残りの半分は普段通り、一般のお客さんがランチをしていました。このランチには、ゲストスピーカーであるDr. Charles Tannock欧州議員、Ray Graham氏、Hatch End選出のCouncillorでありHatch EndのChairmanであるJean Lammiman氏、Hatch EndのDeputy ChairmanであるJohn Hinkley氏に加えて、保守党の支持者と思われる30名ほどの方々が参加していました。

会費については、飲み物と2コースのランチで16.5ポンドという値段設定で、この金額はレストランに直接支払います。その一方で、くじ引き大会みたいなものがあり、そのくじをそれぞれの裁量で購入します。私も経験のために1つを5ポンドで購入しました。私のくじは当たりませんでしたが、あたった方々の景品を見てみると、特に派手なものではなさそうだったので、この差額が資金集めとなるのだと思います。詳しくは見ていませんでしたが、人によっては、1つではなく複数以上、購入しているのかもしれません。

私は誘っていただいたHatch EndのDeputy Chairmanのおかげで、先ほど紹介した方々 (ゲストスピーカー、当地のConservative AssociationのChairman、Hatch EndのChairman、Hatch EndのDeputy Chairman)、と同じテーブルにつかせていただきました。ランチの間はゲストスピーカーであるDr. Charles Tannock氏を中心に会話をします。やがて、2コースのランチが終わったところで、ゲストスピーカーのスピーチの時間となりました。12時半に始まったこのランチもこの頃には既に2時くらいにはなっていたと思いますが、この時間帯でもまだ他のお客さんもいました。Tannock氏は細長いレストランの真ん中くらいに立ち、そこより奥のイベント参加者に向けて話しをされていましたが、その手前のお客さんも一部は彼のスピーチを聞いているようでした(マイクで話す彼の声は容易に手前の方々にも聞こえていたと思います)。彼は欧州議員ですので、ユーロ危機やイギリスのEUメンバーシップなどについて話しをしていました。彼の20分ほどのスピーチに続いて、また、20分ほどQ&Aがあり、イベントは終了となりました。

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イベント終了後に、私は同じテーブルでご一緒させていただいた方々に挨拶をして、レストランを出ました。レストランを出て、Hatch Endの駅まで歩き、プラットフォームをふらふら歩いていると、”Hi!”と声をかけてくる方がいます。帽子をかぶりコートを着ていたのですぐにわかりませんでしたが、先ほどのゲストスピーカーのDr. Charles Tannock 欧州議員です。彼もロンドン中心部に向かう電車を待っていたようです。おもいがけない幸運に恵まれて、プラットフォームおよび電車の中で彼との会話を楽しみました。彼は欧州議会の中で台湾に関する議員連盟のChairmanもしていますし、先週のIDU Leaders Meetingのディナーでも同じ場所にいましたし、何よりも、私の国際部でのボスとも親しいということで、話が盛り上がりました。おまけに新たに人まで紹介していただいてラッキーでした。こういう出会いを大切にしたいと思います。