カレンダー

カレンダーといえばプライベートではもっぱらGoogle カレンダーを使っていますが、これは、この数年でだいぶ使い勝手が良くなった気がします。予定に添付ファイルを付けられるようになり、スケジュールと同じ画面でタスクも見れて、日英両方の祝日も入れられます。以前はこのタスクが頻繁にクラッシュして、せっかく入れた自分のタスクを見失う…、というタスク管理としては致命的な欠陥があったような気がしますが、最近はそれも感じません。

というわけで、今日の主な仕事は部署の年間カレンダーづくりでした。カレンダーというよりは、もう少し正確に言うと、「週単位で部署の計画をたてるのに何か便利なもの」といったイメージです。どんな仕事でも同じだと思いますが、この手のリクエストは、だいたいの場合、頼んでいる側にはあまり明確なイメージがありません。そういう場合は「何をほしいのか」を細かく聞こうと思ってもあまり意味がありません。それよりも、なぜほしいのか、どうやって使うのか、を確認した上で、ラフに作ったものを早めに見せるのがコツなんだと思います。

私の所属している部署が保守党国際部であることから、私が入れようと思った項目は、(1)保守党全体の大きなイベント、(2)保守党国際部の主催するイベント、(3)イギリス議会の休会期間 (recess) 、(4)特に関係の深い国の選挙日程の4つです。選挙日程も全世界入れるとそれだけでかなりの量になってしまうので、イギリスとの関係の深い先進国やコモンウェルス (Commonwealth) の国々、保守党国際部がWestminster Foundation for Democracy (WFD) などのプロジェクトを通じて関わりの深い国を中心に入れました。

いつもウィキペディア頼みですが…コモンウェルスとは:

イギリス連邦(イギリスれんぽう、英: Commonwealth of Nations, British Commonwealth)は、かつてのイギリス帝国(大英帝国)がその前身となって発足し、イギリスとその植民地であった独立の主権国家から成る、緩やかな連合(集合体・組織体)。英連邦(えいれんぽう)、コモンウェルス (Commonwealth)ともいう。”

また、もはやあまり更新されていないと思われますが、あるウェブサイトによるとWestminster Foundation for Democracyとは:

ウェストミンスター民主主義基金(Westminster Foundation for Democracy=WFD)はドイツの政党財団とアメリカのNEDをモデルとして、1992年に設立されている。現在の予算は400万ポンドである。WFDと略されることが多い。資金は議会の決議に基づいて政府から受けているが、独立したNGOであり、自分たち自身でプロジェクトを作っている。外務省はWFD理事会からの報告書をもとに年次報告書を作成し議会に対し提出する。また会計監査は英国議会がおこなうことになっている。助成対象は国内の各政党に対しおよそ50%。残りの50%は海外のNGOへのプロジェクト助成と基金自体の事務費として使われる。各政党は助成金を海外の友党の支援に使っている。また、英国自治領、民主主義が達成された国、あるいは先進国のNGOへの助成は禁止している。”

ということのようです。先週の金曜日に整理した、部署の棚にたまっていた資料も、このWFDからファンディングを受けたプロジェクトの報告書などが主なものでした。整理しながら中身を見ては「ほう、こんなことを海外の政党に教えているのか」と興味津々でした。

それから、このカレンダーを作成する段階でとても役にったのが、世界の選挙カレンダーの掲載されているInternational Foundation for Electoral Systemのウェブサイトです。こんな便利なものがあるのかと驚きました。セクターを問わず政府・企業・NGOなどの組織で、ポリティカルリスクなどを分析している部署にとっては、こういうカレンダーはとても重要なんでしょうね。このNGOがUSAIDというアメリカの国際開発庁の資金で運営されているというのも納得のいくところです。

ところで、イギリス議会のホームページには今年の休会期間 (recess) が表示されています。ここの冒頭には以下のように書かれています:

Parliament does not sit all year round. During periods called recesses, Members can carry out their other duties.”
「国会は一年中開かれているわけではありません。Recessと呼ばれる期間は、国会議員はその他の任務に携わることができます。」(拙訳)

つまり、この休会期間中以外は基本的にはずっと国会が開かれています。日本の場合は、今年も国会の会期延長が大きなトピックとなっていましたが、学校の教科書にも記載されているように、国会は通常国会の日数が定められおり、これは会期制と呼ばれています。一方でイギリスでは、平均4年に1度(実際の期間は首相による解散時期による)の総選挙から総選挙の間は、国会は1つの会期としてみなされており、通年制と呼ばれています。細かな違いのように聞こえるかもしれませんが、賛否両論を交えて、国会運営に大きな違いをもたらすとの指摘も多々あります。

国会の会期に関連して、現在、イギリス議会では fixed-term parliamentというものが審議されています。時間のある時に、どういう経緯でこの議論が始まり、どんな議論がされているのか、解説してみたいと思っています。乞うご期待。

そんなこんなで、ぱっと見では、わたしのつくったカレンダー的なものも気に入ってもらえたようでした。詳細は明日またボスが見てくれて直しの必要があればそこで指示してくれる予定です。その他、先週と同じく党大会のロジとして、各国大使・高等弁務官にお薦めするイベントのアップデートや、各国大使・高等弁務官に会う保守党議員の時間の確保などを、継続して行いました。

今、このエントリを保存する前にカレンダーを見て、今日が火曜日だったことを思い出しました。なぜかすっかり月曜日だと思っていました。夏休みでもなく、学生でもなく、以前の職場環境でもない、私にしてはあまりにも安定したペースでの生活に曜日感覚が狂っているのかもしれません…。